ネットで出会った怪しい人たち~成増の男~

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今から6年前、私はネットのビジネス掲示板を使い仕事の依頼や応募、提携先の募集などを頻繁に行ってきました。

するとある日、板橋区の成増在住で石を販売しているという男性から連絡があり、喫茶店で会うことになりました。

そこに現れたのは50代の小太りの男性、成増の男が来ました。

成増の男は、話を聞けば聞くほど、話の流れが前後左右行ったり来たりの支離滅裂で、頭が困難してしまうような話術の持ち主でした。

3時間くらい成増の男のビジネスを聞かされましたが、私の中で彼の言いたいことをまとめてみると、ようするにネットを使ってビジネスをまとめてくれる片腕が欲しいという事でした。

東京に出てきたばかりの私は、こんなにおいしい話はないと思い、それからこの成増の男と何度も喫茶店で会い、混乱する話を聞いて我慢しました。

その地道な努力が実ったのか、ある日電話でうちの会社の役員になって欲しいと連絡がありました。

ついにチャンスが来たな!と喜んだものの、いきなり役員になる話の胡散臭さに耐えられなかった私は、成増の男の会社を帝国データバンクで調べてみました。

そこに代表者として記録されていたのは女性の名前。

あれれ?成増の男社長じゃないの?

確かに名刺には代表取締役とは書かれていなかったけど、話していることはどう聞いても社長でしょ。

会社の売上高を見ると、2年連で年商1千万。

デカいこといっていた割には俺の会社より少ないやん!

そこから成増の男に不信感を抱きました。

だったらもう会わなければ良いじゃん!と思うかもしれませんが、いつ最後の切り札的な話が来るのかという期待と面白さもあり、時折会ったり飲みに行ったりしました。

そこで出で来る話は、出るわ出るわの大ボラ話。

芸能界の大物を知っている。誰々はたいしたことない。

こんなビジネスの話が来ている。

いくら心が無垢で真面目な私も、そこまで来たらコントでっせ。

という展開になってきました。

いつお金貸してくれとか、投資してくれの話がはじまるのか。

そればかり気になってきました。

しかし不思議なことに、喫茶店代や飲み代などは全て奢ってくれて、金銭的な要求は一切ありません。

それからしばらくして、喫茶店で会って話をしていると、

「いろいろな悩みを解決してくれる人たちがいる場所がある」

「いろいろな人たちがいるので良い出会いがある」

そこまでの電車賃やタクシー代出してあげるから、一緒に行こう!という話になりました。

私が拒否していると、強引どころかお願いモード。

怪しい。実に怪しい。もしかして宗教かな?

嫌なら、いつでも帰ってもいいという事なので、殺されることはあるまいと面白半分でついて行きました。

そこに電車とタクシーで到着すると大きい会館でした。

成増の男が受付にお金を払い、私の分のお経の本や数珠を1万5千円くらいかけて買ってくれました。

本堂みたいなのに入場する際、成増の男は自分の名前を書いたのですが、私はその一瞬を見逃しませんでした。

本名が名刺と違うやん!

そこを突っ込むと、ビジネスネームと本名は使い分けているとのこと。

お前は芸能人か!って心の中で叫びました。笑

私も入場の際に個人情報を書かなくてはならなかったのですが、成増の男は私に配慮してくれて適当でいいから書いてくれとのことでした。

無事、受付を終わらせ入ってみると、驚きの光景が目の前に広がっていました。

ワイドショーとかで見る光景です。

大勢の信者が大ホールの和室に正座して、お辞儀をしてお経を唱えています。

image5
成増の男もすぐにそこに加わり、お辞儀しながらお経を唱えていました。

私の場合は、信仰している宗教もないし、そういう世界には一番縁遠い人間なので、いきなりそういうところに連れて行かれても真似できません。

逆に、コントに見えてしまうくらいです。

私はトイレに行って、近くのソファーで時間を潰していました。

程なくして成増の男が来て、「来てくれてありがとう」とお礼を言われましたが、後で思えばどうやら会館に連れてくるノルマがあったのでしょう。

次の日から、成増の男からはビジネスのメールではなく、宗教的思想のメールや礼拝や集会お誘いのメールを頻繁に送ってくるようになりました。

さすがに仕事で使っているメールに一日何回も連日のように届くので嫌になり、もう送ってくるな!と連絡したら、それ以来一切来なくなりました。

あれから6年位たって風のうわさで知ったのですが、どうやらその方は亡くなっていたようです。

あれだけ拝んでも効果はなかったのでしょうか。

私のような信心深くない人間の方が長生きするかもしれませんね。

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